兵庫県淡路市に鎮座する淡路國一宮・伊弉諾神宮（いざなぎじんぐう）は、日本神話における天地創成の祖神である伊弉諾大神を主祭神とし、国生み伝承の舞台である淡路島に鎮まる由緒正しき古社です。「日本最古の神社」とも伝えられ、古来より「国家発祥の聖地」として人々に篤く崇敬されてきました。その神威は「生命力の再生」「縁結び」「安産」「厄除け」など、多岐にわたる御神徳を授けるとされ、現代においても強力なパワースポットとして全国から参拝者を集めています。
神話によれば、伊弉諾尊と伊弉冉尊の二神は天の御柱をめぐり、国土を生み、山や川、木々や草花、そして多くの神々を誕生させました。淡路島はその国生みの第一歩として生まれた島とされ、伊弉諾大神はその後、神務を終えて幽宮（かくりのみや）に隠れた地が、この伊弉諾神宮であると伝えられます。つまりこの神社は、日本の始まりそのものである国生み神話の終着点かつ聖地であり、大地の生成力と生命の根源的エネルギーを体感できる稀有な場所なのです。
御祭神は伊弉諾大神を主神とし、相殿に伊弉冉大神を祀ります。夫婦神を祀ることから「縁結び」や「夫婦円満」「家庭円満」のご利益が強く、古来より結婚を控える男女や安産祈願の女性たちが訪れてきました。伊弉諾・伊弉冉二神は愛と創造の象徴であり、その加護は恋愛のみならず、人間関係や仕事、人生における大切な「ご縁」を結ぶ力としても働くとされています。
境内は深い神聖さと穏やかな力に満ちています。特に「夫婦大楠（めおとおおくす）」は圧倒的な霊気を放つパワースポットとして有名です。この楠は樹齢900年とも伝えられる巨樹で、二株の楠が途中で結合して一本となった姿をしており、まさに夫婦神の縁結びの象徴です。その堂々たる姿からは大自然の生命力と調和の力が感じられ、参拝者は「人と人との結びつき」「家庭の安泰」を祈り、エネルギーを授かります。また、触れることで心身の疲れが浄化され、活力が蘇ると信じられています。
伊弉諾神宮はまた、「厄除け」「再生」のご利益でも知られます。これは伊弉諾大神が黄泉の国から帰還し、禊祓によって穢れを清め、多くの神々を生んだ故事に由来しています。この「禊祓」の力が境内全体に息づいており、参拝することで心身の穢れが祓われ、新しい自分に生まれ変わるエネルギーを得ることができます。特に人生の転換期や試練に直面している人にとって、この神社は「再生と蘇りの聖地」として大きな支えとなります。
また、伊弉諾大神が祀られることから、この神社は「太陽と月」「昼と夜」といった宇宙的な調和の力を宿すとも言われています。大神が禊を行った際に生まれた天照大御神（太陽神）、月読尊（月の神）、須佐之男命（海原の神）は、それぞれ世界を司る重要な神々であり、伊弉諾神宮はその誕生の原点にあたります。そのため、この地を訪れることで宇宙の調和と大自然の循環を感じ取り、心身のバランスを整えることができると信じられています。
境内は清浄でありながらも力強い陽の気に満ちており、参拝すると「背中を押されるような前向きな力」を感じる人が多いといいます。静謐な空気は迷いや不安を取り去り、未来への決意を固める後押しをしてくれるのです。特に夫婦大楠の前に立つと、心に迷いがあったとしても自然と「大切な縁を守り育てていこう」という前向きな思いが湧き上がるとされます。
総じて、伊弉諾神宮は「国生みの聖地」として大地の生成力を宿し、「縁結び」「家庭円満」「再生」「厄除け」といった多彩なご利益を授ける日本屈指のパワースポットです。淡路島という特別な土地のエネルギーと、天地創造の祖神の御神威が交わるこの場所は、人生における大切な節目や新たなスタートに訪れるべき聖地といえるでしょう。
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